iPodはそりゃあ使うけれども。

Expiredより。

今の若いアーティストは、MP3は高音質の媒体で、iPodは最先端のサウンドだと思っている

いやー・・・それはありえないだろ。いくらオンライン音楽配信先進国だからといって。

と、まず思ったんだけれど、音楽が消費されるメディアがシフトしつつある時期にはこの記事のような意見が出るのは避けられないのだろうなーともおもった。
昔のCDがそうだったように。

リマスタリングされてない80年代のCDはレンジも狭いし、90年代以降に比べてスカスカに感じる。
90年代のCDの音は、今ほど音圧はなくて音の分離もいまほどはっきりしてなくて、けれど“塊”としての演奏を感じられる。
いまのCDは各音がものすごくクリアで音圧も高いけど、波形を貼りあわせてイコライジングしてプラグインで位相をいじって分離をよくして、仕上げにダイナミクス系をかましてレベルを底上げして・・・っていう過程が(きっと思い込みだけど)ときどき感じられる気がする。
まぁそれだって素人が生兵法でやってうまくいくもんじゃないが、なんかポストプロダクションに頼りすぎなんじゃないの?みたいなことを思ってしまうなぁ。

もちろん、MP3とiPodが音楽に大きな悪影響を与えているという見方に、すべての音楽プロデューサーが同意しているわけではない。ジョニ・ミッチェルの作品に携わったことで知られるラリー・クライン氏は次のように語る。「平均的なスピーカーで素晴らしく聞こえる曲なら、イヤフォンでもいい音で聞こえる。イヤフォンでもっとよく聞こえるように曲を調整するなんて想像できない」

個人的には、iPodをリファレンスにして欲しくはないので(iPod touch予約したけど)、まったくこういう意見は大歓迎。
プロだから市場は意識せざるはえないんだろうけど、結局そういう音が売れるから・消費されるからというところで落ち着いて欲しくない。
iPod合わせにミックスされたCDを買うなんてなんか悲しくなるよ。。。と思う私は、パッケージに慣れ親しみ過ぎた旧世代ってことになるんだろうなぁ。

いち消費者としても、こういう議論よりも以下のような未来を期待するところですよ。

 CDは登場当初、レコードと比べて冷たく平板だと言われた。だがエンジニアがCDを熟知するにつれて音質は良くなった。多くの人は、MP3と携帯プレーヤーでも同様のことが起きると期待している。

※後日、レコーディングエンジニアとマスタリングエンジニアの友達に聞いたら、「いいミックスであれば、iPodでもよく聞こえる。そういうもんだ」とシンプルな回答が返ってきました。