Radiohead“In Rainbows”

http://www.inrainbows.com/Store/Quickindex.html
 ネットのみでNewアルバム「In Rainbows」の販売を始めたRadiohead。ユーザーが価格を決められると言う実験的というか大盤振る舞いが日本でも話題になった。
 しかも購入してわかったけど、これDRMフリーじゃないですか!
 古くはNapstar、続いてP2Pでのファイル交換、さらにYoutube(日本ではニコニコ動画も)に代表される音楽・映像と著作権の問題、現在ではiTunesStoreの独壇場となっているオンラインでの音楽販売といった現状に対する彼らからの回答が、このアルバムではないか。
 購入価格をユーザーに決めさせるという奇抜な販売方法も、飽和している音楽ビジネスに一石を投じる妙手といえそうだ。ファンにしてみれば、「やってくれた!」って感じだと思う。

 とはいえ、唯一無二の音楽性を持ち世界各国にコアなファンを抱える彼らの知名度を考えるとこの方法は非常に有効な販売戦略とも言えるわけで。

前述のスポークスマンの情報によれば、彼らの戦略は今のところ成功しているようだ。メディアによる報道も喚起できたし、予約注文も生み出した(さらに、予約注文の多くは、単体のCDではなく値段の高いボックスセットだという)。

 ホント、やってくれたなぁ。やっぱかっこいいわ、この人たち。昔、ダウンタウンの松ちゃんが値段をお客に決めさせるというライブをやったけど、なんかそれを思い出しました。

 で、肝心の音の方はというと、基本的には前作の流れを踏襲していると言うか。よりバンドサウンドに戻った。
 一方で、残念なことにKid A以降のあのヒリヒリした緊張感みたいなものは薄れた。相変わらず音作りもトム・ヨークの歌声も文句なくカッコいいけど、いまんとこの感想はなんというか・・・・リラックスして聞き流せる感じ。レコード会社を離れのんびりやってる(勝手なイメージです)、本人達の今の気分が反映されてるのかもしれない。