“the book about my idle plot on a vague anxiety”toe

 昔職場に音楽オタクなアメリカ人がいた。彼は鍵盤弾きで、あるとき日本人の女の子を好きになって初デートはどこがいいかとかあーだこーだ言ってまんまとモノにしたあげく、最終的にはその娘をL.Aに連れて行ったのだった。
 今頃何してるだろうか。まさかまだ付き合っちゃいないと思うが。
 とまあそんな彼に教えてもらったバンドのひとつがtoeだった。長いこと忘れてたけど、昨年フジロックに出演してて昼下がりのホワイトステージですごくいい演奏をしてたのを突然思い出しアマゾンでお買い上げ。
 ジャケはこれは、鹿ですかね。タイトルは「漠然とした不安の上にある私のくだらない企みについての本」だそうな。このジャケの鹿(?)の角が生えそうな芽吹いてきそうな、じーっと何かをみつめて何かやってくれそうななんにもしなそうな。

 ポストロック、というカテゴリーはもうとっくに過去のもになってしまった感があるけどそんなことには全然関係なく、ここには自分達の音楽を研ぎ澄まし続け聴く者に高らかに宣言してるようななんというか自信というか信念というか。そんなものがヒリヒリ感じられる。
 というか僕はそう感じた。ギター、ベース、ドラムそれぞれが旋律を紡ぎだして絡まりあってるけどすごく絶妙な隙間感があったり。ドラムがカッコいいんだよなぁ。ギターもクリーンでシャキーンとしてて(テレキャスっぽい)、でもちょっと湿っててメランコリックで。艶っぽい。
 でもライブはもっとカッコいいのです。今年はROVO主催のMan Drive To Tranceに出演ってことで、CD聞いてると期待も高まり先走り汁もほとばしろうかってモンですよ。

the book about my idle plot on a vague anxiety

the book about my idle plot on a vague anxiety